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上手いこと纏まりませんでボツにします…… 
ここ数日風邪気味で頭がろくに回らずすみません。
体調戻りましたらまた更新します…
皆様も体調お気をつけくださいね( ´•̥ •`)




星のマンションを引き払うことが決まった、との知らせを受けたのが花形と明子の結婚式の案内状が伴の手元に届いてしばらくのことであった。
星のためにも部屋の賃料を払い続け、マンションのオーナーとの賃貸契約を続けていこうと言う話が纏まっていたと言うのに面食らったのが正直なところで、伴は部屋の片付けを手伝うという名目で、クラウンマンションに顔を出すに至った。
球界を引退してからは伴も伴自動車工業の会長補佐という名目で社会人として給金を得ながら経営について学んでいる最中で、決して時間にも精神的にも余裕があるわけではない。
しかして、急に引き払うに至った経緯を聞かねば腹の虫が収まらんし、何故こちらにはなんの相談もなかったのかと問い詰めたくもあった。
伴は持っていた合鍵でマンションの鍵を開け、女物と男物の靴が仲良く並ぶ玄関にムッとしたものの、努めて平常心を保ち、ご無沙汰しとります、と奥で作業をしているふたりに声をかける。
「伴さん」
「…………」
顔を上げた明子と、ちらりと一瞥はくれたものの黙々と作業を続ける花形に伴は単刀直入に、何故部屋を引き払うに至ったのかその経緯を伺いたい、とそう、尋ねた。
「それは」
「いい、ぼくから話そう」
何やら口を開きかけた明子を制し、花形が口を開く。伴はそれからして気に食わず、ピクリと眉を動かしたが、今にも泣きそうな顔をして未来の夫と己の顔を見比べる彼女のことを思うと何も言えず固まるばかりとなった。
「…………」
「ぼくらの家に星くんの部屋をひとつ、用意しようという話になったのさ。荷物は全て、そこに運び込むつもりでね」
「星の部屋を?」
「私たちも悩んだんです。あの子のことを思えばここを残しておくのが1番でしょう。でも、飛雄馬の、弟の思い出はここにしかなくて、私たち家族が住んでいた長屋の跡には今は大きなスーパーができてしまっていて、だから」
「明子……」
感極まり、思わず床に突っ伏し泣き出した明子を宥め、その肩に手を置く花形から伴は視線を逸らす。
それはこちらも同じこと。
星の面影は、思い出はここにしかない。
星の持ち物すべてを結婚後の新居に運び込むというのなら、おれは星に会えんじゃないか。
わざわざ星の面影を訪ねろとでも言うのか冗談じゃない。
「何故、一言も相談してくれんかったんです明子さん。決まったあと、部屋の整理を始められてからそんなことを聞かされる身にもなってほしいですわい……」
「そこでだ伴くん。きみの父上が近々、以前から倒産危機にあった例の鉄鋼会社を傘下に入れるという噂を耳にしたが、ぼくのところもとある企業と業務提携することになってね。これを機に、手を組まないか。なに、詳しいことは追々話そう……きみの父上にとっても悪い話ではないはず」
「…………!」
何故、花形がそれを知っている。
伴は目を見開いたまま固まり、うっ!と一声呻き声を上げた。
まだ伴自動車工業の重役、それも幹部連中しか知らぬことをなぜこの男が。
花形モータースも花形満が球界から身を引き、経営に携わるようになってからは急成長を遂げ、自動車部門のみならず他業種にも手を伸ばし、次々と成功を収めていると聞く──これは願ってもない話だ。
いずれ引退し、隠居の身となる親父は花形のことを気に食わんなどと未だにほざくが、そんなことおれには関係のない話で──。
いいや、この男の口車に乗せられ、星が散々な目に遭わされるのを今まで見てきたじゃないか。
そう簡単に惑わされて堪るか。
「お互い、考えていることは恐らく同じだろう。フフッ……全部星くんのためさ」
「う、ぐ、ぐ…………」
「伴さんに黙って決めたことについては謝ります。ごめんなさい。でも、あなたから見てもきっと、この選択が最善だと思うの」
「星……!」
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きりう
性別:
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