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小説は深夜にちまちま書いているのですが、今週やたら眠いわ浮かんだネタをどちらで書くか迷って更新が遅くなってしまいましたすみません。
年々夜ふかしが辛くなるね…


こっちはボツネタです。
夫婦の寝室で事に及んで、明子の匂いに懐かしくなると同時に背徳感と罪悪感を抱く星くんが書きたかったんですけど纏まらず……
(以下若干、花形←明子語りしてるので苦手な方閲覧注意です。)





ホント、新における明子の扱いがあんまりだと思いませんか。BLサイトで言うのもアレなんですけど切ない……
花形の明子になかなか子供できなくてね〜発言にしたって、作中で明子があなた!って抱きついてきてるのに花形は「明日もゴルフで早起きだ寝るか」とか言ってるんですよ。
いやいや、女の方から抱きついてるのに寝るかはねーーだろ!?と。そら子供もできんわ…
明子を抱きしめつつ、頭に思い描くは星くんのことだしもうだめだよこの人…
花形、絶対暗い部屋でしか明子のこと抱かなそう…んで、声出そうとしたら手で塞いできそう…
で、子供とかいらんから避妊してそう……
明子は花形のこと大好きなのに花形はそ〜でもなさそうなのが萌え切ない…悲しすぎるよ!こんなんでいいのか明子ぉ!!

(たった数コマでここまで妄想できるきりうのイカレ具合よ…)





ねえちゃんの、匂いがする。
飛雄馬は花形の唇の熱を感じながら、そんなことをふと、思った。

朝からランニングやストレッチと一通りのトレーニングを済ませてからの午後。
今日は試合も組まれてはおらず、珍しく伴からの誘いもない完全なオフの日で、飛雄馬は昼食を済ませてからと言うもの、寮の自室で黙々とグラブの手入れを行っている。
今でも、ふとした時に右手で捕球しようとしてしまう癖を、早急に直さねばならんな。
そんなことを考えつつ、飛雄馬はふう、と大きな溜息を吐いてから革本来の光沢や艶を取り戻した愛用のグラブを手に、大きく背伸びをした。
久しぶりに少し、街に繰り出してみようか。
たまには大した目的を持たずとも、街中を散策するのもいいだろう。
飛雄馬はグラブをいつもの位置に置くと、部屋着の格好から余所行きへと身支度を整える。
そうしていざ、部屋を出ようとした瞬間、それを阻むかのように扉がノックされ、飛雄馬は、はいと返事をした。
「おう、星。突然すまんな。お客さんだ」
「客?」
飛雄馬は扉越しに話しかけてきた武宮寮長に返事をしつつ、部屋の外へと顔を出す。
「ん?なんだ。出かける約束しとったのか」
「え?」
「兄ちゃんが来とるぞ玄関先に」
寮長は立てた親指で寮の出入り口を指し示し、早く行ってやれ、とも続けた。
「花形さんが、ですか」
飛雄馬はまさかの人物の来訪に驚き、目を数回瞬かせてからひとまず、寮長に礼を言うと玄関先へと向かう。心なしか飛雄馬の足取りは重い。
この、兄ちゃん、と言うのがいけない。
いくら他球団の選手とは言っても、身内のテイで訪ねてくれば取り継ぐ他ない。
それに、花形さんは何故かしら武宮寮長と仲がいい。先日もねえちゃんが呼んでいるからとわざわざ寮まで出向いた花形さんと寮長は何やら楽しげに談笑していた。
いっそのこと、寮長には花形さんが来てもおれはいないと言ってくれと話をしてみようと考えたこともあるが、この人はそういう嘘は嫌うであろうし、何より、理由を尋ねられたときに返答に困ってしまう。
ただ単に、会いたくない、と。
他球団の選手と馴れ合う必要性は微塵も感じないと言えば、寮長は納得してくれるだろうか?
もしかすると、星らしいなと素直に受け入れてくれるかもしれない。
「おや、どこかに行くつもりだったのかね」
重い足を引きずるようにしてようやく玄関先へと到達した飛雄馬に、花形が問いかける。
「……ちょっと」
「ぼくでよければ案内するが。買い物かね」
「まず花形さんがここを訪ねた理由を話してはもらえんだろうか」
「星、そんな口の利き方はないだろう」
背後から寮長の声がして、飛雄馬は唇を強く引き結ぶ。
「…………」
花形は表情を緩めると、飛雄馬を諌めた寮長を宥め、急に訪ねたぼくが悪いんですからと続けた。
「……それで」
「まあ、詳しい話は後だ。とりあえず車に乗りたまえ」
「…………」
ああ、彼は知っている。
おれが、寮長の手前、強くは出られないことを。
ここで帰れと追い返せばきっと寮長はおれを義理人情を欠く、薄情な人間だと思うだろう。
かと言って、このままでは完全に花形さんの思惑通りに事が進む。
どうしたらいい。
飛雄馬は口を噤んだまま、顔を伏せる。
「ほら、星。行ってこい」
「…………」
「すみません、寮長。突然連絡もなく」
「いやいや、気にせんでいいぞ花形くん」
寮長は高らかに笑うと、飛雄馬の背中を大きな掌で叩いた。
飛雄馬はそれから、流れに乗せられるままに靴を履き、花形の運転するキャデラックの後部座席でしばらく揺られることになった。
「機嫌を直してくれたまえよ、飛雄馬くん」
「…………」
先程からしきりに花形が話しかけてくるが、飛雄馬はそれらを無視し、窓の外を見遣る。
向かっている方角と、街の風景から車は花形の屋敷に向かっているであろうことは飛雄馬にも見て取れた。
ねえちゃんは、おれと花形さんに仲良くしてほしいんだろうか。
花形さんと親父は時折、屋台で飲むこともあるらしい、と話してくれたのは伴だったか。
おれは実の親子と言えども親父とは野球の話題以外、何を話していいかよくわからんと言うのが本当のところだが、どうやら花形さんはそうでもないらしい。
よく、笑い声も上がると言うから驚きだ。
「」
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上手いこと纏まりませんでボツにします…… 
ここ数日風邪気味で頭がろくに回らずすみません。
体調戻りましたらまた更新します…
皆様も体調お気をつけくださいね( ´•̥ •`)




星のマンションを引き払うことが決まった、との知らせを受けたのが花形と明子の結婚式の案内状が伴の手元に届いてしばらくのことであった。
星のためにも部屋の賃料を払い続け、マンションのオーナーとの賃貸契約を続けていこうと言う話が纏まっていたと言うのに面食らったのが正直なところで、伴は部屋の片付けを手伝うという名目で、クラウンマンションに顔を出すに至った。
球界を引退してからは伴も伴自動車工業の会長補佐という名目で社会人として給金を得ながら経営について学んでいる最中で、決して時間にも精神的にも余裕があるわけではない。
しかして、急に引き払うに至った経緯を聞かねば腹の虫が収まらんし、何故こちらにはなんの相談もなかったのかと問い詰めたくもあった。
伴は持っていた合鍵でマンションの鍵を開け、女物と男物の靴が仲良く並ぶ玄関にムッとしたものの、努めて平常心を保ち、ご無沙汰しとります、と奥で作業をしているふたりに声をかける。
「伴さん」
「…………」
顔を上げた明子と、ちらりと一瞥はくれたものの黙々と作業を続ける花形に伴は単刀直入に、何故部屋を引き払うに至ったのかその経緯を伺いたい、とそう、尋ねた。
「それは」
「いい、ぼくから話そう」
何やら口を開きかけた明子を制し、花形が口を開く。伴はそれからして気に食わず、ピクリと眉を動かしたが、今にも泣きそうな顔をして未来の夫と己の顔を見比べる彼女のことを思うと何も言えず固まるばかりとなった。
「…………」
「ぼくらの家に星くんの部屋をひとつ、用意しようという話になったのさ。荷物は全て、そこに運び込むつもりでね」
「星の部屋を?」
「私たちも悩んだんです。あの子のことを思えばここを残しておくのが1番でしょう。でも、飛雄馬の、弟の思い出はここにしかなくて、私たち家族が住んでいた長屋の跡には今は大きなスーパーができてしまっていて、だから」
「明子……」
感極まり、思わず床に突っ伏し泣き出した明子を宥め、その肩に手を置く花形から伴は視線を逸らす。
それはこちらも同じこと。
星の面影は、思い出はここにしかない。
星の持ち物すべてを結婚後の新居に運び込むというのなら、おれは星に会えんじゃないか。
わざわざ星の面影を訪ねろとでも言うのか冗談じゃない。
「何故、一言も相談してくれんかったんです明子さん。決まったあと、部屋の整理を始められてからそんなことを聞かされる身にもなってほしいですわい……」
「そこでだ伴くん。きみの父上が近々、以前から倒産危機にあった例の鉄鋼会社を傘下に入れるという噂を耳にしたが、ぼくのところもとある企業と業務提携することになってね。これを機に、手を組まないか。なに、詳しいことは追々話そう……きみの父上にとっても悪い話ではないはず」
「…………!」
何故、花形がそれを知っている。
伴は目を見開いたまま固まり、うっ!と一声呻き声を上げた。
まだ伴自動車工業の重役、それも幹部連中しか知らぬことをなぜこの男が。
花形モータースも花形満が球界から身を引き、経営に携わるようになってからは急成長を遂げ、自動車部門のみならず他業種にも手を伸ばし、次々と成功を収めていると聞く──これは願ってもない話だ。
いずれ引退し、隠居の身となる親父は花形のことを気に食わんなどと未だにほざくが、そんなことおれには関係のない話で──。
いいや、この男の口車に乗せられ、星が散々な目に遭わされるのを今まで見てきたじゃないか。
そう簡単に惑わされて堪るか。
「お互い、考えていることは恐らく同じだろう。フフッ……全部星くんのためさ」
「う、ぐ、ぐ…………」
「伴さんに黙って決めたことについては謝ります。ごめんなさい。でも、あなたから見てもきっと、この選択が最善だと思うの」
「星……!」

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